”信用”と”信頼”

こんにちは!
ヒノデバスケ教室アシスタントコーチのマアコです。
今回は「信用」と「信頼」について、私が思っていることをお話したいと思います。
仕事でもプライベートでも、なくてはならないこの二つ。
バスケにおいてもとても重要なことで、
自分がバスケで活躍したいと思うのであれば、信用と信頼、両方を得ることが大事だと思います。

「信用」と「信頼」、
この二つは似たような言葉ですが、
辞書を引くとそれぞれ以下のような意味があります。

信用”とは、
「確かなものと信じて受け入れること。それまでの行為・業績などから、信頼できると判断すること。」

信頼”とは、
「信じてたよること。たよりにできるとして信ずること。」

”信用”は、過去の実績や行い、つまり結果から
判断、評価されて得られるもの
です。

一方の”信頼”は、
その人の人柄や考え方・行動などから頼るに足ると思われること、
すなわち、この人なら任せても大丈夫という安心です。

信用と信頼は言葉は似ていますが、このように見る角度が違っています。

バスケの場面においてたとえるならば、

高いスキルを持ってチームを勝ちに導いてくれる人は、プレーにおいて信用されやすいです。
パスがもらえる、プレーの中心になる、ここぞという場面で任せられるなど、
その人のスキルに対して信用されるということです。
でも、もしもその人が普段は練習に遅れてくる、練習中サボる、というようなルーズな一面を持っているのであれば
人としての信頼は得られにくいでしょう。

逆に、いつも声出しをしてチームを盛り立てたり、やるべき事をきちんとやっていたり、
周りにも気配りができたりする人は信頼されやすいと思います。
キャプテン向きだったり、周りから何か相談されたり、人として頼りにされる存在になりやすいと思います。
でも、いざ試合ではシュートが入らない、ミスが多いなど結果を残せないのであれば
選手としての信用は得られず、試合にはあまり出させてもらえない可能性があります。

たとえバスケが上手であったとしても、
日々の行いの積み重ねによってはコーチや仲間から信頼を得られず、
ひいては試合にもいつか出させてもらえなくなるかもしれません。
では、みんなから信頼されている人が試合に出てチームを勝たせられるかと言ったらそうではないこともあります。
試合に出たい、結果を残したいのであれば、プレーで信用してもらうために努力しなければいけません。

したがって、信用だけあれば良い、信頼だけあれば良い、訳ではないということです。

特にプロのスポーツ界での信用や信頼の縮図は顕著です。
時に国を代表してプレイすることもあるプロのスポーツ選手達は、
日本だけでなく海外の人々からも、その一挙手一投足に注目が集まり、
大きな期待やプレッシャーを背負いながらも日々鍛錬していることでしょう。
ですが、どんなに成績が優れている選手でも、日々の生活態度の悪さが露見するとすぐさまマスコミから叩かれますし、
結果を出し続けられない選手はいつの間にかメディアで名前を聞かなくなります。
チームが勝ち続けるためには、より能力のある選手がチームから求められるのが当然であり、
特に日本という国は礼儀やマナーなどを重んじる文化があるため、
上に立つ人ほどそれらがきちんとできていないと非難轟々なわけです。

このようにプロの世界では殊厳しい目で選手達が見られますが、
前述している通り、こういう信用と信頼の関係はどんなコミュニティにも存在しています。
それは、学校でも、職場でも、サークルでも、家庭でも、様々な場所に。

たとえば自分が試合で活躍できる選手になりたいと思った時に、
今の自分にはプレーの中心になれるだけのスキルがあるのか、
仲間からチームを任せられる存在でいるのか。
ここぞという時に、仲間からパスがもらえるスキルを磨いてきただろうか。
練習に真面目に取り組んできたと胸を張って言えるだろうか。

信用と信頼、そのどちらかが欠けていても
自分にとってもチームにとっても良い結果は生まれにくいのではないかと思います。

自分がどんな選手になりたいか。
どんな人でありたいか。
それに足る信用と信頼は得られているのか。

時に、振り返ってみてはいかがでしょうか。

余談ですが、、

バスケ漫画としてはあまりにも有名な「スラムダンク」の中で、
この信用と信頼について描かれていると感じたシーンがありますので少しお話しさせていただきます。

主人公・桜木花道(さくらぎ はなみち)と流川楓(るかわ かえで)は、湘北高校バスケ部入部以前から犬猿の仲でしたが、
インターハイ、王者・山王(さんのう)と呼ばれる絶対的覇者を相手にした試合での終盤、
流川から桜木へパスが送られ、桜木が見事シュートを決めて山王を破り、
2人が思わずハイタッチするという、涙無くしては見られないシーンがあります。

バスケド素人でありながら、対抗心を燃やしてどんな時も流川に張り合ってきた桜木と、
桜木なんて眼中になく、ひたすら自分のバスケ道を行く超高校級プレイヤー流川。
そんな相反する2人が、
「勝つ」という一つの目的においてパスの受け渡しをしたあのシーンには、
無意識にも心の底でお互いを信用していた行動が描かれているように私は感じました。
漫画の中では桜木が流川のプレーのすごさや努力の積み重ねを実感する場面もありますし、
桜木の、素人ながらも上手くなるためにやってきたこと、残してきた結果を
流川も少しは認めていたのかもしれませんね。

ついでに、
スラムダンクのキャラクターとしては人気の高い、陵南高校の仙道彰(せんどう あきら)。
彼は遅刻魔ですが、その温厚な人柄と凄すぎるプレーによって、
他の強豪校からは一目置かれ、チームの仲間には信用も信頼もされている絶対的エースです。

試合での劣勢時に「それでも仙道なら…」「仙道ならきっと何とかしてくれる…!!」という仲間達の心の声を
湘北のキャプテン赤木が感じ取るというシーンがあります。
試合の流れを変えられるだけの力量を持っていると思われているということなので、
仲間から相当信用されているという証だと思います。

また、インターハイをかけての湘北と陵南の試合では(当時の試合時間は20分間を2クォーター)、
2クォーター残り10分あたりで湘北の畳みかけるような攻撃に陵南は劣勢を強いられていました。
監督を含め陵南の誰もが焦りや不安を感じている中、コート上の仙道が手を叩いて
「1本だ」「1本落ちついていこう」「まだあわてるような時間じゃない」と仲間に声をかける場面があります。
それに対し、4ファウルでベンチに下がっていた陵南のキャプテン・魚住が、
「不思議だ…仙道の言葉には不思議な説得力がある」「あいつの一言で冷静さをとり戻せる」
「本当はオレよりもあいつの方が…キャプテンに向いてるんだろうな…」と心の中で思うシーンが描かれています。

その後も仙道はコート上の誰よりも声を出し、チームを盛り立てています。
そんな仙道の姿は、もはやプレーにおける信用を得ているだけでなく、
「この人の言葉や行動を信じたい、頼りにしたい」と周りから信頼されている存在であることを物語っています。

そんな仙道ですから、陵南の田岡監督はなんやかんやで仙道の遅刻を許しています。
あんなに頻繁に遅刻していたら現実では試合に出してもらえないと思いますが、
仙道に限っては信用と信頼のどちらも得られているため、多少の事には周りも目を瞑っているのでしょう。
こういう仙道のような人のことを、カリスマ的存在と言うのかなと思います。

スラムダンクには、このような仲間同士の信用、信頼の関係性がよく描かれており、
だからこそ様々なシーンで胸熱になってしまうのだと思います。

少し、と言いつつだいぶ長くなってしまいましたが、
気になる方はよろしければスラムダンクにて該当のシーンを探してみてください。
それでは!

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